熊本大学 URA推進室


2024.3.19

日本学術振興会より、令和6(2024)年度の科学研究費助成事業(科研費)の変更点等についてが公表されました。

令和6(2024)年4月以降の主な変更点

主な変更点

関連情報(リンク・資料等)



基盤研究(B)の基金化

継続課題に引き続き、令和6年4月以降に交付内定を予定している新規採択課題についても、予算成立後速やかに基金化に向けた手続が進められる予定です。

 令和5(2023)年度以前に採択された「基盤研究(B)」の継続課題については、令和6(2024)年2月に交付内定を行いましたが、本年4月以降に交付内定を予定している新規採択課題についても、令和6(2024)年度予算が国会で成立したのち、速やかに基金化に向けた手続を進める予定です。これにより、研究費の柔軟な使用が可能となるとともに、研究者や研究機関の事務負担が軽減されます。



審査資料の電子化及びカラー化

新たに「学術変革領域研究(A・B)」、「学術変革領域研究(A)(公募研究)」の研究計画調書について、色を付した図や文字が使用された研究計画調書がそのまま審査に通されることになります。

 新たに「学術変革領域研究(A・B)」、「学術変革領域研究(A)(公募研究)」の研究計画調書をカラーで受け付けることとしました。これに伴い、審査委員は電子申請システムを通じてカラーの研究計画調書(PDFファイル)を閲覧し、審査を行うことになります(研究計画調書をモノクロ(グレースケール)印刷して審査委員に送付することを取りやめます。)。

【既に審査資料の電子化・カラー化の対象となっている研究種目】※

  • 「特別推進研究」、「基盤研究(S)」、「研究活動スタート支援」、「海外連携研究」、「国際共同研究強化」、「帰国発展研究」

※その他の研究種目の審査においては、従前と同様、モノクロ印刷された研究計画調書を審査資料として使用します。なお今後、審査状況を踏まえ、審査資料の電子化及びカラー化の対象研究種目を拡大していく予定です。


 男女共同参画推進に向けた科研費における応募要件の緩和

「研究活動スタート支援」及び「若手研究」の応募要件に「未就学児の養育期間」が配慮期間として追加されます。

 若手・子育て世代の研究者がより積極的に研究に復帰・参画できる環境を整備するため、「研究活動スタート支援」及び「若手研究」の応募要件に「未就学児の養育期間」を配慮期間として追加します。なお、「未就学児」の対象は、「子」であり、民法上の解釈に即して応募者本人の子(実子、非嫡出子又は養子)となります。

 令和6(2024)年度科研費の公募「研究活動スタート支援」及び令和7(2025)年度科研費の公募「若手研究」から新しい応募要件を適用しますので、詳細は各公募要領を参照してください。


【令和7(2025)年度科研費「若手研究」(令和6(2024)年7月中旬公募開始予定)】

令和7(2025)年4月1日現在で博士の学位を取得後8年未満の研究者(※)

(※)以下の者も対象とする。

  • 令和7(2025)年4月1日までに博士の学位を取得見込みの者
  • 博士の学位を取得後に産前産後の休暇を取得又は未就学児を養育していた場合は、当該期間を除くと博士の学位取得後8年未満となる者

 研究活動スタート支援及び奨励研究の審査方式の変更

「研究活動スタート支援」及び「奨励研究」の審査方式が2段階書面審査から一度の書面審査で採否を決定する審査方式へと変更されました。

 令和6(2024)年度から、「研究活動スタート支援」及び「奨励研究」の審査方式を2段階書面審査から一度の書面審査で採否を決定する審査方式へと変更しました。このことにより、早期の審査結果の通知が可能となり、研究活動スタート支援については、採択されなかった場合であっても、審査結果通知後、基盤研究等への応募のために必要な準備期間を確保することが可能となります。審査結果通知等のスケジュールは各公募要領を参照してください。


 研究の健全性・公正性(研究インテグリティ)の確保

令和7(2025)年度科研費の公募から、e-Radに登録された研究インテグリティに係る情報を科研費電子申請システムに連携し、当該e-Rad情報を基に研究計画調書に必要な情報を入力することが必要になります。

 令和7(2025)年度科研費の公募からは、e-Radに登録された研究インテグリティに係る情報を科研費電子申請システムに連携し、当該e-Rad情報を基に研究計画調書に必要な情報を入力いただきます。このため、e-Radにおいて、研究代表者及び研究分担者は当該情報を登録してください。特に、研究代表者及び研究分担者が所属機関への研究インテグリティに係る誓約状況を登録していない場合は応募できませんので、必ず事前に当該情報の登録状況を確認してください。

 なお、e-Radから科研費電子申請システムに連携される情報は以下のとおりです。


<科研費電子申請システムに連携される情報>

  • 応募中の研究費
  • 受入予定の研究費
  • e-Rad外の研究費(民間財団からの助成金、企業からの受託研究費や共同研究費など)
  • 兼業や、外国の人材登用プログラムへの参加、雇用契約のない名誉教授等を含む現在の全ての所属機関・役職
  • 所属機関への研究インテグリティ誓約状況

 研究データマネジメント

令和6(2024)年度から、原則全ての研究種目において研究データマネジメントプラン(DMP)の作成を求めます。DMPの作成例等の詳細は交付内定時に示しますので、当該内容に沿って研究課題における研究成果や研究データの保存・管理等を行ってください(作成したDMPの提出は求めません)。 。

 令和6(2024)年度から、原則全ての研究種目において研究データマネジメントプラン(DMP)の作成を求めます。DMPの作成例等の詳細は交付内定時に示しますので、当該内容に沿って研究課題における研究成果や研究データの保存・管理等を行ってください。なお、作成したDMPの提出は求めません(※)。

 ※従前、学術変革領域研究においては交付申請時にDMPの提出を求めていましたが、令和6(2024)年度より上記の取扱いとします。


 作成したDMPは研究の進捗に応じて適宜更新していただきます。

 また、DMPに基づき生み出し公開した研究データの情報(メタデータ等)は、実施状況報告書又は実績報告書の一部として報告いただき、科学研究費助成事業データベース(KAKEN)において研究成果として公開することを予定しています。

 研究機関では、管理・対象データの範囲、研究データの公開・共有の基準等を定めたデータポリシーの策定など、研究者がデータポリシーに則って研究データマネジメントを実施するための環境や支援体制等の整備を行ってください。


関連情報(リンク・資料等)