熊本大学 URA推進室

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URA推進室で作成支援した研究成果のプレスリリースです

2022年度 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015

  • 抗糖尿病薬メトホルミンの新作用!
    ー非糖尿病型の慢性腎臓病(ND-CKD)の病態進行を抑制するー

    2021/3/30
    大学院生命科学研究部(薬) 甲斐広文教授

    抗糖尿病薬メトホルミンが、非糖尿病型の慢性腎臓病の病態を模擬するモデルマウスにおいて、腎機能の低下、糸球体障害、炎症・線維化などの病態を改善し、マウスの生存期間を延長することを見出しました。


  • X染色体連鎖性精神遅滞のメカニズムを解明!
    ー新規治療薬開発に道ー

    2021/3/27
    大学院生命科学研究部(医) 富澤 一仁教授

    X染色体連鎖性精神遅滞(X-Linked Intellectual Disability、以下、XLID)の発症メカニズムを明らかにしました。


  • 新たな除草剤候補化合物クマモナミドを発見

    2021/3/23
    国際先端科学研究機構 石田喬志助教

    農薬開発に役立つ新たな天然化合物として、土壌微生物である放線菌の培養上清からN-アルコキシピロール化合物「クマモナミド」を発見しました。さらに、クマモナミドをもとに、KANDという強力な成長阻害効果を持つ化合物の開発に成功しました。


  • PCR法と原理が異なる、血液・尿を利用した
    新型コロナウイルスの新たな測定技術を開発!

    2021/3/23
    大学院生命科学研究部(医) 富澤一仁教授

    血液および尿中の「修飾ヌクレオシド」と呼ばれる物質を測定し、新型コロナウイルスの感染の有無および重症化率等の予後予測を可能とする新技術を開発しました。


  • 凝集したタンパク質を元に戻す分子 Hsp104 の構造を解明

    2021/3/23
    大学院生命科学研究部(医) 小椋光教授

    細胞内で凝集したタンパク質を再生する分子Hsp104の構造を明らかにしました。この成果により今後、タンパク質の異常凝集が引き起こすと考えられている神経変性疾患など病気の基礎的な理解へ向けた貢献が期待されます。


  • B型肝炎ウイルスを簡便で迅速かつ高感度に検出する
    「高感度抗原定量検査法」を開発

    2021/3/22
    大学院生命科学研究部(医) 田中靖人教授

    型肝炎ウイルス(HBV)を検出する新しい検査法「高感度HBコア関連抗原定量検査法」を開発しました。同検査法は、従来のPCR法よりも「安価」「簡便」で迅速検査に対応可能で、臨床現場への導入が容易になります。また、従来の抗原検査法と比べて感度、特異度、再現性に優れており、特にHBV再活性化のモニタリング検査で有用性が高い結果となることを証明しました。


  • 混ぜるだけでインスリンの経口投与を可能にする方法を開発
    ~経口インスリンの開発に期待~

    2021/3/19
    大学院生命科学研究部(薬) 伊藤慎悟准教授

    独自に見出した「小腸透過環状ペプチドDNP (DNPペプチド)」をインスリンに添加剤として用いることによって、インスリンの小腸吸収を促進させ、経口投与によりマウスの血糖値を低下させることに成功しました。


  • 五苓散(ソウジュツ配合)の天気頭痛への効果を発見

    2021/3/18
    大学院生命科学研究部(薬) 倉内祐樹助教

    天気頭痛モデルの試験系において、気圧が低下すると脳血流量が増加し、その後通常気圧に戻しても、元の脳血流量まで減少・回復しないことがわかりました。また、五苓散(ソウジュツ配合)を投与すると、気圧の低下による脳血流量の増加が抑制されること、通常気圧に戻すと、元の脳血流量まで減少・回復することがわかりました。


  • 新しい計算創薬法を開発し、希少難病の「色素性乾皮症D群(R683W 変異)」の治療薬候補を発見

    2021/3/17
    発生医学研究所 立石智講師

    新しい創薬法を開発し、これまで治療法がなく多くの患者が運動機能障害と皮膚の悪性腫瘍へと至る難治性の皮膚疾患を呈する色素性乾皮症D群のうち、特に重篤なR683W変異型に対し有効な薬剤を発見し、さらに細胞実験でこの薬剤が著効することを明らかにしました。


  • 発達障害学生のオンライン授業におけるニーズや”困り感”等を調査

    2021/3/16
    大学院教育学研究科 菊池哲平准教授

    全国の国公私立大学の障害学生支援担当者を対象に、発達障害のある学生のオンライン授業における“困り感”等についてアンケート調査を実施した結果、約3割の大学で発達障害学生からの相談が増加していることがわかりました。


  • 江戸時代の伝説の数学者・吉田光由が細川忠利によって熊本に招かれていたことを示す一次史料を発見

    2021/3/9
    永青文庫研究センター 稲葉継陽教授

    江戸時代初期の寛永4年(1627)に初版が出版されて瞬く間に江戸時代を通してのベストセラーとなった和算書『塵劫記(じんこうき)』の著者吉田光由が、寛永13年(1636)と寛永14年(1637)に熊本に滞在していたことを示す一次史料を発見しました。


  • 世界初!鉄隕石中に含まれる微小な結晶相「テーナイト」の強さと延性の計測に成功

    2021/3/4
    大学院先端科学研究部(理) 峯洋二教授

    独自に開発したマイクロ引張試験技術を用いて、鉄隕石を構成している髪の毛の太さよりも小さいサイズの結晶相ごとの力学特性(引っ張ったときの強さと延性)を精密に計測することに世界で初めて成功し、その結果、窒素を多量に含む「テーナイト」と呼ばれる相が強さと延性を兼ね備えていることを発見しました。


  • 植物の茎の表皮組織がタガの役割を担うことを証明

    2021/3/1
    大学院先端科学研究部(理) 澤進一郎教授

    茎が器官として一体となった構造を維持する仕組みについて表皮組織に着目した研究を実施した結果、丈夫な表皮が茎の内圧を受け止めるタガであることを明確に示すことに成功しました。


  • 腹水中の老化細胞が胃がん腹膜播種の増大を引き起こす新たなメカニズムを解明!
    ーがん腹膜播種完全コントロールに向けた挑戦ー

    2021/2/24
    国際先端医学研究機構 安田忠仁研究員

    がん関連線維芽細胞(CAFs)の細胞老化が、胃がん腹膜播種巣の進展に重要であることを、がん性腹水を用いた細胞分画の解析によって証明しました。


  • ケトン体合成の新たな作用を発見
    ~ケトン体合成によるミトコンドリア保護~

    2021/2/19
    大学院生命科学研究部(医) 有馬勇一郎助教

    ケトン体合成不全マウスを作製・解析し、ケトン体合成にミトコンドリアを保護する作用があることを確認しました。


  • 震災避難者数の推移予測モデルの提案
    ーインフラ被害や家屋被害に基づくモデリングー

    2021/2/15
    大学院先端科学研究部(工) 岡島寛准教授

    被災者のうち特に支援が必要になる避難者数の経時的な人数推移を予測するための動的モデルを、新たに提案しました。


  • "孫太郎虫"の親は花が好き!
    ~奄美大島から「花粉食のモンヘビトンボ」を発見~

    2021/2/10
    大学院先端科学研究部(理) 杉浦直人准教授

    一般に “水生昆虫” として知られているヘビトンボ類のなかに、成虫が夜間に花を訪れ、花粉を摂食する種(アマミモンヘビトンボ)がいることを初めて明らかしました。


  • 細川家最後のキリシタン重臣である加賀山隼人と小笠原玄也の殉教に関する一次史料を発見

    2021/2/2
    永青文庫研究センター 稲葉継陽教授

    細川家最後のキリシタン重臣であり、殉教者として名高いディエゴ加賀山隼人の処刑と、かつて細川ガラシャの最期に付き添い職に殉じた小笠原少斎の子息小笠原玄也(隼人の娘婿)の追放を小倉藩主細川忠興が命じたことを示す、元和5年(1619)9月9日付の書状を発見しました。


  • 磯の香りをたどればクジラは餌の在処にたどり着く

    2021/2/1
    大学院先端科学研究部(理) 戸田敬教授

    海洋の大気や海水に含まれる磯の香りの成分(ジメチルスルフィド:DMS)の濃度勾配をたどると,オキアミなど動物プランクトンの在処に到達できることを実証しました。


  • シグナル情報伝達を担うRNA由来の液性因子を発見
    ー炎症疾患の新たな核酸医薬開発に期待ー

    2021/1/20
    大学院生命科学研究部(医) 富澤一仁教授

    RNA修飾を網羅的に検出する「モドミクス技術」を用いて解析し、RNA修飾の代謝後に生じる「N6-メチルアデノシン(m6A)」が強力な受容体シグナル応答を引き起こし、アレルギーなどの炎症を惹起することを発見しました。


  • プリオノイドを促進するRNAの形「G4」
    ー新たな神経変性治療ターゲットの発見ー

    2021/1/14
    発生医学研究所 塩田倫史独立准教授

    遺伝性の神経疾患「脆弱X随伴振戦/失調症候群(FXTAS)」の発症には、原因遺伝子の異常な繰り返し配列が形成するRNAの特殊な構造「グアニン四重鎖構造(G4)」が関与していることと治療候補薬を発見しました。


  • 線虫を使った健康寿命のミニ集団解析
    ―健康寿命を延伸する物質や遺伝子の探索を可能に―

    2021/1/4
    大学院生命科学研究部(薬) 首藤剛准教授

    線虫を用いて健康寿命を評価する自動測定システム「C-HAS」の開発に成功しました。線虫の集団を寿命の質的相違に基づき分類する、ミニ集団解析(平均的に生きる集団、健康長寿の集団、健康で早死にする集団、不健康期間が長い集団)が可能となります。


  • 細胞の骨組みの状態を高感度に測る技術を開発

    2020/12/21
    国際先端科学技術研究機構 檜垣匠准教授

    細胞の骨組み(細胞骨格)の束化状態を高感度に計測する顕微鏡画像解析技術を開発しました。


  • 血管とリンパ管の独立性が維持される仕組みを解明
    ーリンパ浮腫を抑える新たな治療法の開発に期待ー

    2020/12/21
    国際先端医学研究機構 馬場理也准教授

    特徴・構造を比べると、見分けがつかないほど酷似している「血管とリンパ管」の独立性が維持される仕組みを明らかにしました。


  • 大量絶滅と恐竜の多様化を誘発した三畳紀の「雨の時代」
    ~日本の地層から200万年にわたる長雨の原因を解明~

    2020/12/8
    大学院自然科学研究科 冨松由希(博士課程)

    全体的に高温・乾燥していた中生代の三畳紀(約2億5190万年前〜2億130万年前)の中で約200万年間にわたる「雨の時代」は、非常に大規模な火山活動が引き金となって起こったことを明らかにしました。


  • 食品のアレルゲン測定が前処理法「PTS法」で飛躍的な効率化が可能に

    2020/12/8
    生命科学研究部(薬) 増田豪助教

    タンパク質の質量分析を効率化する独自開発の前処理法「PTS法」が、食品中の効率的なアレルゲン測定に有効であることを、SCIEX社との共同研究により確認しました。


  • 細川家による葡萄酒製造の下限を示す寛永9年(1632)8月の史料を新たに発見

    2020/12/3
    永青文庫研究センター 稲葉継陽教授

    最古の日本産ワイン醸造期間と考えてきた寛永4年(1627)~寛永7年(1630)より2年後の寛永9年8月に葡萄酒醸造を命じる史料を新たに発見しました。


  • 細川忠興による駿府城普請にかかる掟書を発見

    2020/11/2
    永青文庫研究センター 稲葉継陽教授

    駿府城普請の際に細川家の家臣が守るべき掟を定めた文書「細川忠興駿河御普請中掟」を発見、調査しました。


  • 電気と温熱の組み合わせが腎病態を改善する
    ーネフローゼ症候群に対する温故知新なアプローチー

    2020/10/30
    生命科学研究部(薬) 甲斐広文教授

    生物活性を指標に最適化した微弱パルス電流と温熱の併用処置が、腎臓において抗炎症作用や抗線維化作用を発揮するとともに、腎臓細胞の細胞死を抑制することでネフローゼ症候群に対し保護的に働くことを発見しました。


  • 熊本大学と(株)ブリヂストンが共同研究でEVバス専用タイヤを開発
    ―横浜市で行われる環境省委託事業のEVバス実証実験で性能を実証―

    2020/10/28
    先端科学研究部(工) 松田俊郎シニア准教授

    熊本大学と(株)ブリヂストンは、EVバスのさらなる性能向上、消費エネルギー(燃費)低減を目的として、EV技術とタイヤ技術を横断した共同研究を進めており、当該EVモーター回生技術にタイヤの転がり抵抗低減を組み合わせた場合の走行エネルギーの低減効果を確認することができました。


  • 極小の貴金属ナノ粒子を合成する技術を開発

    2020/10/27
    産業ナノマテリアル研究所 真下茂特任教授

    熊本大学独自の液中パルスプラズマ法を用いて貴金属でこれまでにない極小のナノ粒子※2を合成する技術を開発しました。本技術によって、平均粒径1nm以下の金、平均粒径2nm以下のパラジウムや白金ナノ粒子の合成に成功しました。


  • 宮崎県えびの市役所田遺跡から九州初のコクゾウムシ多量混入土器を発見

    2020/10/26
    国際人文社会科学研究センター 小畑弘己教授

    宮崎県えびの市役所田(やくしょでん)遺跡から出土した縄文時代後期の深鉢形土器片(3,600年前)から28点のコクゾウムシ圧痕を発見し、推定で250匹のコクゾウムシが粘土中に練り込まれていたことを明らかにしました。


  • 食品の抗酸化能をどこでも測定
    ー新たなシート型電気化学システムを開発ー

    2020/10/20
    産業ナノマテリアル研究所 國武雅司教授

    測りたいものに浸すだけ、または1滴垂らすだけで「どこでも、すぐ」食品の抗酸化能を測定できるシステムを開発しました。


  • 環境省の委託事業で、熊本大学を始めとする産学官連合が開発した
    EVバスの実証試験を横浜市で開始

    2020/10/20
    先端科学研究部(工) 松田俊郎シニア准教授

    熊本大学を始めとする産学官プロジェクト(環境省委託事業)が開発したEVバスの実証試験を横浜市で開始しました。


  • マウスに苦痛を与えない生体組織移植針キット Ez-Plant を開発!
    ―マウスへのヒト生体組織の移植が簡便に―

    2020/10/14
    ヒトレトロウイルス学共同研究センター 岡田誠治教授

    簡便かつマウスに苦痛を与えない、生体組織移植針キット: Ez-Plantを開発しました。


  • 生活習慣病を誘導するプロスタグランジン経路の発見
    ー抗メタボ薬の候補としてアスピリンやEP4拮抗薬の新たな効能に期待ー

    2020/10/14
    生命科学研究部(薬) 杉本幸彦教授

    脂肪組織で産生される生理活性脂質プロスタグランジン(PG)E2が、その受容体EP4を介して脂肪分解と線維化を促進し、肝臓への異所性脂肪の蓄積を引き起こして糖尿病などの生活習慣病の発症を促すことを世界で初めて明らかにしました。


  • アレルギー性皮膚炎を悪化させる樹状細胞集団を発見
    ~ロイコトリエンB4受容体を発現する樹状細胞を標的にした治療法の開発へ~

    2020/10/13
    発生医学研究所 古賀友紹助教

    アレルギー性皮膚炎を悪化させる樹状細胞の同定に成功しました。また、この樹状細胞集団が、一般的な樹状細胞とは異なり、リンパ節に移行せずに炎症部位に留まり、T細胞を炎症性のTh1細胞へと分化させて、接触性皮膚炎の症状を増悪させることを明らかにしました。


  • 新型コロナウイルス感染症の重症化に特徴的なT細胞の異常を発見

    2020/10/9
    国際先端医学研究機構 小野昌弘客員准教授

    新型コロナウイルス感染症重症化に特徴的なT細胞の異常を発見、重症患者ではT細胞に内在するブレーキが働かなくなった結果、T細胞が過剰に反応し、重症化を引き起こしている可能性を明らかにしました。


  • 細胞老化の多様性とそのメカニズムを提唱
    ー代謝とエピゲノムによるバリエーションの形成ー

    2020/10/1
    発生医学研究所 中尾光善教授

    細胞から放出される生理活性物質サイトカインの合成・分泌の特徴から、細胞老化には少なくとも4つの段階(4つの表現型バリエーション)が存在することを提唱しました。


  • ダウン症関連遺伝子が悪玉コレステロール (LDL) の酸化を抑え、加齢による角膜混濁を防護することを発見

    2020/9/23
    生命資源研究・支援センター 南敬教授

    ダウン症と高コレステロール血症のモデルマウスを用いた加齢解析により、ダウン症関連遺伝子DSCR-1が、角膜への異常な血管侵入とそれに伴う失明・角膜混濁を防護することを明らかにしました。


  • 減数分裂における父方由来・母方由来の染色体のマッチングを“大黒柱”として支えるタンパク質の役割を解明

    2020/9/18
    発生医学研究所 石黒啓一郎准教授

    精子・卵子の形成に必要な減数分裂の過程で父方由来、母方由来の染色体がマッチングして遺伝情報の交換を行う「相同染色体の対合」において監視役を果たす因子を呼び込む仕組みを明らかにしました。


  • 白血病の幹細胞の脂質代謝メカニズムを発見
    - 再発を予防する新しいコンセプトの治療法の基礎となる -

    2020/9/17
    生命資源研究・支援センター 荒木喜美教授

    慢性骨髄性白血病(CML)の幹細胞維持に必要な脂質代謝メカニズムを解析しました。その結果、リゾリン脂質代謝酵素Gdpd3という分子がCML幹細胞で高発現していることを発見しました。


  • 隕石衝突の規模を鉱物から探る
    -高強度レーザーで再現した隕石衝突の瞬間を超高速X線撮影-

    2020/9/7
    産業ナノマテリアル研究所 川合伸明准教授

    鉱物が隕石衝突のような強い衝撃を受ける状況を実験室で再現し、その瞬間の結晶構造変化を放射光X線により超高速撮影しました。その結果、衝撃を受けている最中に起きる結晶構造の変化をナノ秒の時間スケールで直接観測することに成功しました。


  • 損傷した筋肉が筋幹細胞を活性化させることを発見
    ~筋疾患の病態解明や創薬開発に期待~

    2020/9/4
    発生医学研究所 小野悠介准教授

    筋再生の最初のステップである筋幹細胞の活性化のメカニズムについてはこれまでほとんどわかっていませんでしたが、損傷した筋肉から漏出する成分が筋幹細胞を活性化させるといった、極めて合理的な組織再生の仕組みがあることを発見しました。


  • 骨格筋の発育と再生メカニズムに性差あり
    ーエストロゲン受容体βの機能的重要性を解明ー

    2020/8/21
    発生医学研究所 小野悠介准教授

    女性ホルモンである「エストロゲン」の受容体「ERβ」の機能が阻害された雌性マウスは、骨格筋の発育・再生に異常があることがわかりました。この異常は雄性マウスではみられないことから、エストロゲンとその下流シグナルは女性特有の筋発育・再生メカニズムになると考えられます。


  • 細胞の分解機構「シャペロン介在性オートファジー」の活性低下が小脳性運動障害に繋がることを解明
    ー遺伝性の難病「脊髄小脳失調症」の克服へ前進ー

    2020/8/6
    生命科学研究部(薬) 香月博志教授

    細胞内のタンパク質を分解することで生体の恒常性を維持する「シャペロン介在性オートファジー(CMA)」活性を小脳神経細胞でのみ低下させたマウスを作製し、運動障害や小脳神経の変性が引き起こされることを解明しました。


  • ヒトiPS細胞から多発性嚢胞腎の病態を再現することに成功
    ~病態解明や新規治療法開発に向け前進~

    2020/7/31
    発生医学研究所 西中村隆一教授

    ヒトiPS細胞から常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の病態を試験管内で再現することに成功しました。より実際の病態に近い、集合管由来の嚢胞を再現しました。


  • 長崎県西海市の西彼杵変成岩からマイクロダイヤモンドを発見

    2020/7/30
    先端科学研究部(理) 西山忠男特任教授

    長崎県西海市の西彼杵変成岩から、マイクロダイヤモンドを発見しました。変成岩中のマイクロダイヤモンドは、地殻物質が地下120km以深まで潜り込んだことを意味する重要な鉱物で、日本の変成岩からは初めての発見です。


  • 自然発症型糖尿病モデルマウスの作製に成功
    ー膵臓再生医療の新しい移植モデル動物として期待ー

    2020/7/27
    生命資源研究・支援センター 荒木喜美教授

    自然発症型の糖尿病モデルマウス「Kuma マウス」を作製しました。Kuma マウスは遺伝的な変異により糖尿病を発症するため、従来の薬剤投与による糖尿病モデルよりも安定に糖尿病を発症することができます。


  • 皮膚が老化すると「幹細胞の顔」が変わる!
    ~加齢に伴う皮膚幹細胞の糖鎖変化の解析に成功~

    2020/7/21
    IRCMS 佐田亜衣子特任准教授

    細胞表面に存在する糖鎖を解析する「糖鎖プロファイリング」技術を用いて、老化皮膚において、幹細胞表面の糖鎖構造(糖鎖修飾パターン)が変化することを見出しました。


  • 温度によるメダカの性転換に脂肪酸受容体が関与
    ~環境に左右される性決定の新たなメカニズムを発見!~

    2020/7/17
    先端科学研究部(理) 北野健教授

    細胞内で脂肪酸を検知して生理機能の調節などを行う脂肪酸受容体の1つである「PPARα」の活性化が、メダカの雄化を引き起こすことを発見しました。


  • がん周囲の線維芽細胞が分泌する物質による胃がん難治化メカニズムを解明
    ーがん微小環境を標的とした治療法開発に向けてー

    2020/7/15
    IRCMS 石本崇胤特任准教授

    がん関連線維芽細胞 (CAFs)が分泌する細胞外小胞 (EVs)に含まれるAnnexinA6という分子が胃がん細胞に取り込まれることで、胃がんが抗がん剤治療抵抗性につながることを確認しました。


  • KUMADAIマグネシウム合金の強靭化に成功
    ~航空機実装化へ大きく前進~

    2020/6/29
    先進マグネシウム国際研究センター 河村能人教授

    KUMADAI マグネシウム合金の強靭化に成功しました。これにより、従来の航空機用高強度アルミニウム合金に匹敵する破壊靭性と最大15%程度の軽量化が可能な機械的強さを持つ“軽くて強くてタフなマグネシウム合金”を実現することができ、航空機実装化を大きく前進させることができました。


  • 細胞老化を防ぐ酵素「NSD2」を発見
    ー老化をコントロールできる時代に向けてー

    2020/6/24
    発生医学研究所 中尾光善教授

    細胞老化をブロックする酵素「NSD2」とその働きを初めて解明しました。老化細胞においてNSD2の量が著しく減少すること、また、正常な細胞でNSD2の働きを阻害すると細胞が速やかに老化することがわかりました。


  • 統合失調症や双極性障害の男性患者ではセロトニン関連遺伝子のDNAメチル化状態が変化

    2020/6/18
    生命科学研究部(医) 岩本和也教授

    統合失調症や双極性障害の男性患者さんは、セロトニントランスポーター遺伝子の特定の部位が高メチル化状態にあり、この状態が扁桃体の体積変化と関連していることを明らかにしました。


  • 1つの触媒で3つの水素利用:燃料電池、水素製造、水素化
    ~次世代のエネルギーである水素を効率よく利用する道の開拓~

    2020/6/11
    先端科学研究部(理) 速水真也教授

    水素の合成や分解を担う3種類の天然ヒドロゲナーゼ酵素の構造をヒントに1つの新しい触媒を開発しました。今回開発した触媒は、同じ分子式で構造だけが異なる3種類の異性体によって、3種類のヒドロゲナーゼ酵素のように(1)燃料電池の水素電極の触媒(2)水素製造の触媒(3)化学工業の水素化の触媒として働くことができます。


  • アルポート症候群に対する核酸医薬を用いた新規治療法開発
    ー難治性遺伝性腎疾患モデル動物に著効することを確認

    2020/6/2
    生命科学研究部(薬) 甲斐広文教授

    難治性の腎疾患を呈する難治性腎炎「アルポート症候群」に対し、核酸医薬を用いた治療法としてエクソンスキッピング療法の開発を行い、この療法が疾患モデル実験において著効することを明らかにしました。


  • 体外受精の成功率を高める精子の選別技術を開発

    2020/6/2
    生命資源研究・支援センター 竹尾透教授

    マイクロ流体デバイスを用いた細胞分取装置を用いて、体外受精における受精率の向上に有用な精子を選別する技術を開発しました。


  • 熊本地震後にみられた地下水位の異常上昇の原因
    ー巨大地震による山体地下水の解放を捉えた!

    2020/6/1
    先端科学研究部(理) 細野高啓准教授

    平成28年 (2016年 )熊本地震発生前後に採水した様々な水試料の安定同位体比分析から、熊本地震後に広域地下水流動系の涵養域を中心に観測された地下水位の異常上昇は、阿蘇西麓山体に蓄えられていた山体地下水が透水性の増加に伴い解放され、流下部の広域地下水流動系に新たに付加 されたことが原因で生 じたことを突き止めました。


  • 日本人に多いヒトT細胞白血病ウイルス1型が炎症とがんを引き起こす新しいメカニズムを解明

    2020/6/1
    生命科学研究部(医) 松岡雅雄教授

    ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)が、ウイルス遺伝子の作用により、HTLV-1に感染した免疫細胞(T細胞)のサイトカインへの反応性を変えることで炎症と発がんを引き起こすメカニズムが明らかとなりました。


  • 植物の成長ー防御バランスを調節する仕組みを解明

    2020/5/29
    先端科学研究部(理) 澤進一郎教授

    植物が病原体感染から守るために合成・蓄積する防御ホルモンが、植物自身の成長を妨げないようバランスを調整している仕組みを解明しました。


  • 精子の形成に必要な減数分裂組換えの仕組みを解明
    ーDNA損傷修復にかかわる新規遺伝子を発見ー

    2020/5/27
    発生医学研究所 石黒啓一郎准教授

    精子の形成に必要な「減数分裂組換え」をコントロールする新しい遺伝子を発見しました。


  • 難治性血液がんである骨髄異形成症候群の病態解析と治療標的検証に成功

    2020/5/15
    IRCMS 指田吾郎特別招聘教授

    高齢者に多い血液がんの一つであり、既存の抗がん剤治療 が効きにくい難治性の骨髄異形成症候群の病態を解析して、従来、がん抑制遺伝子として考えられていた転写因子「RUNX3」が、逆にがんを増殖させる遺伝子機能を持つことを解明しました。


  • 女性における尿酸高値の意外な功名
    ー加齢・病態時の肺機能を保護する作用ー

    2020/5/8
    生命科学研究部(薬) 首藤剛准教授

    生体内の抗酸化物質の一つである尿酸が、加齢や肺の病気に従って低下しうる女性の肺機能を維持する働きを持つことを発見しました。


  • 宇宙空間に流出する月の炭素を初観測
    ー月誕生の定説を覆す発見ー

    2020/5/7
    先端科学研究部(理) 渋谷秀敏教授

    月周回衛星「かぐや」のプラズマ観測装置によって月の表面全体から流出する炭素を世界で初めて観測し、月の誕生について揮発性物質を残らず蒸発させる従来の巨大衝突モデルから、揮発性物質が残ることを許容する新しい月誕生モデルへの転換が期待されル発見をしました。


  • 細胞外マトリクスを介した新しいメカノトランスダクション機構を発見
    ~血管疾患への新たな治療法開発への期待~

    2020/4/24
    生命科学研究部(薬) 大槻純男教授

    メカニカルストレス応答の中心を担う、転写調節因子YAPの核内移行(活性化)を、細胞外マトリクスThbs1が制御し、血管のメカノトランスダクション機構において重要な働きを担うことを明らかにしました。


  • 100万気圧4000度の極限条件下で液体鉄の密度の精密測定に成功
    〜地球コアの化学組成推定に向けた大きな一歩〜

    2020/4/23
    大学院先導機構 中島陽一助教

    地球の液体金属コアの主成分である液体鉄の密度を、100万気圧4000度という、コアの環境とほぼ同じ超高圧高温の極限条件下で決定することに成功しました。


  • PM2.5濃度上昇が心停止の発生に影響
    ~日本全国規模の人を対象とした疫学研究の成果~

    2020/4/20
    病院 松井邦彦教授

    総務省消防庁の救急蘇生統計に係るデータを利用して、日本でもPM2.5の濃度が高くなると院外心原性心停止が増える可能性があることを明らかにしました。


  • 二酸化炭素を吸着してスピン状態を変える金属錯体の合成に成功
    ー新たな金属錯体型ガスセンサーの開発へ期待―

    2020/4/16
    先端科学研究部(理) 速水真也教授

    室温で二酸化炭素を吸着し、吸脱着に伴ってスピン状態(電子状態)を変化させるコバルト(II)錯体の開発に成功しました。


  • 細胞周期からがん細胞の増殖を抑制する新たなメカニズムを解明
    ー新規抗がん剤開発に道―

    2020/4/2
    生命科学研究部(医) 魏范研准教授

    細胞周期に着目してがん細胞の増殖を抑制する新たなメカニズムを解明しました。本成果は、新しいタイプの抗がん剤の開発に繋がることが期待されます。


  • 高齢者の肺機能の維持に重要な新たな因子を同定
    ―DsbA-Lの多彩な作用点が明らかに!―

    2020/4/1
    生命科学研究部(薬) 鬼木健太郎助教

    生体内タンパク質 DsbA-L(Disulfide-bond-A oxidoreductase-like protein) が、血液中や肺組織中の抗酸化機能を高めるとともに、脂肪細胞中のアディポネクチンの機能を高め、高齢者の肺機能維持に重要な役割を担うことを発見しました。