きらりと輝く研究者
熊本大学の勢いある若手を
中心とした研究者を紹介します。
創発的研究支援事業:
科学技術振興機構(JST)による、若手を中心とした
多様な研究者による自由で挑戦的な研究を、
研究に専念できる環境を確保しつつ
原則7年間という長期ににわたって支援する事業。
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研究者の所属・職位は採択当時のものです。
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発生医学研究所筋発生再生分野 教授
小野 悠介
Ono Yusuke骨格筋維持システムの
解明と健康長寿戦略の創出骨格筋維持システムの
解明と健康長寿戦略の創出発生医学研究所筋発生再生分野 教授
小野 悠介
Ono Yusuke課題概要
生涯にわたって自立した生活を送るためには、加齢や疾患による筋肉量の減少(筋萎縮)を抑えることが重要です。しかし、筋萎縮の引き金になるメカニズムはよくわかっていません。本研究では、不活動、糖尿病、加齢等により誘発される筋萎縮の共通の引き金を明らかにします。そして、解き明かしたメカニズムを応用し、新たな健康長寿戦略を提案します。研究者より一言
この機会を最大限に活用し,本課題解決に取り組みます。創発的研究支援事業2020年採択(田中パネル)
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国際先端医学研究機構 特別招聘教授(副機構長兼)
滝澤 仁
Takizawa Hitoshi炎症による造血幹細胞の
機能制御とその変容炎症による造血幹細胞の
機能制御とその変容国際先端医学研究機構 特別招聘教授(副機構長兼)
滝澤 仁
Takizawa Hitoshi課題概要
生涯を通じた血液産生は骨髄に限局する血液幹細胞によって維持されています。感染や炎症などにより免疫が影響を受ける際には、免疫細胞だけでなく血液幹細胞も活性化して生体応答に必要な細胞を優位に産生することが分かりつつあります。創発ではその活性化シグナルの中でも自然免疫シグナルに注目して、血液幹細胞の機能制御、その制御が不安定になり機能不全から血液ガンへと移行していく機能変化を明らかにしていきます。大学院では免疫学教室、ポスドクからは血液学教室にいたので、炎症をキーワードに免疫と血液のはざまにあるニッチを開拓していきたいと思います。研究者より一言
血液(造血)幹細胞は幹細胞の中でも古くから同定・精製の進む細胞です。多種多様な血液・免疫細胞を作ることからよく分かりにくいと言われます。骨髄で細胞分裂静止期にいる造血幹細胞が感染や炎症のような外的環境変化にどのように応答し、造血・免疫システムに適応させていくのかについて、多くの疑問が残ります。 創発では炎症を中心に外的要因が骨髄造血に与える影響を紐解きます。創発的研究支援事業2020年採択(天谷パネル)
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発生医学研究所 教授
塩田 倫史
Shiota Norifumiグアニン四重鎖による
プリオノイド・イノベーショングアニン四重鎖による
プリオノイド・イノベーション発生医学研究所 教授
塩田 倫史
Shiota Norifumi課題概要
アルツハイマー病やパーキンソン病には共通の発症要因があります。脳内でのプリオノイドタンパク質(タウ、αシヌクレイン等)の凝集とその細胞間伝播です。私は、RNA高次構造体のグアニン四重鎖 (G4) が核となりプリオノイドタンパク質の凝集・伝搬を引き起こすことを発見しました。本研究では、革新的細胞内メカニズム「G4プリオノイド」を実証し、神経変性疾患の治療薬開発に繋げます。研究者より一言
DNAやRNAの高次構造はアルツハイマー病やパーキンソン病などの「神経変性疾患」だけでなく、「精神疾患」にも深く関与することが私達の研究で明らかになってきました。DNAやRNAの高次構造と脳機能の関連性を研究し、脳による「個性」と「病態」の起源の解明を目指します。創発的研究支援事業 2020年採択(合田パネル)
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大学院生命科学研究部(医)教授
諸石 寿朗
Moroishi Toshiro共生と排除が紡ぐ
細胞社会の理解と制御共生と排除が紡ぐ
細胞社会の理解と制御大学院生命科学研究部(医)教授
諸石 寿朗
Moroishi Toshiro課題概要
多細胞生物では、性質や機能の異なる様々な細胞が混在し、組織という一つの機能構造体を形成します。このように多様な細胞が混在する細胞社会において、その秩序が保たれる仕組みは大きな謎です。本課題では、細胞間において行われるコミュニケーションを共生と排除という二つの視点から理解することを目標とします。これにより、細胞社会の秩序を保つ仕組みを明らかにし、その変容としてがんなどの病態を捉えることを目指します。研究者より一言
自由な発想のもとに長期的な視点で支援いただける本事業だからこそ、本質的な問いは何かにこだわり、本課題を発展させていきたいと思います。創発的研究支援事業2022年採択(水島パネル)
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大学院先端科学研究部(工)准教授
京都大学 物質―細胞統合システム拠点客員助教勝田 陽介
Katsuda Yousuke新しい機序で作用する
核酸医薬の開発新しい機序で作用する
核酸医薬の開発大学院先端科学研究部(工)准教授 京都大学 物質―細胞統合システム拠点客員助教
勝田 陽介
Katsuda Yousuke課題概要
RNAは複雑な構造を形成することで様々な機能を発現します。私はこの点に着目し、人工的に特殊な構造の形成を強制的に誘導し、新しい生命現象を生み出す研究を進めようと思っています。この研究を進めて、今まで治療法がなかった病気の医薬品開発への応用や生体内反応の分析ツールへと発展させたいと思っています。研究者より一言
グループメンバーと楽しみにながら淡々とやっていきたいと思っています。創発的研究支援事業2021年採択(伊丹/福島パネル)
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大学院先端科学研究部(工)准教授
才ノ木 敦士
Sainoki AtsushiCO2鉱物化法を用いた
誘発地震抑制技術の基礎的検討CO2鉱物化法を用いた
誘発地震抑制技術の基礎的検討大学院先端科学研究部(工)准教授
才ノ木 敦士
Sainoki Atsushi課題概要
地下深部における工学プロジェクトの増加によって誘発地震の活発化が予想され、地震活動を抑制することができる技術の開発が急務となっています。本研究は、超臨界CO2を断層領域に注入し、嫌気性微生物によって固化(鉱物化)させることで誘発地震の発生を抑制する技術の開発を目的としています。この技術は、将来的に岩盤改良技術、地下深部の嫌気性微生物の特性解明、断層を利用したCO2地下貯留など多分野へ応用が期待されます。研究者より一言
この研究は、将来の夢である【断層型地震の抑制】へ向けた最初の一歩です。数十年後、皆さんのお役に立てるように全力で頑張ります。創発的研究支援事業2022年採択(堀パネル)
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大学院先端科学研究部(工)准教授
中島 雄太
Nakashima Yuta包括的がん医療実現にむけた
免疫細胞モジュールの創成包括的がん医療実現にむけた
免疫細胞モジュールの創成大学院先端科学研究部(工)准教授
中島 雄太
Nakashima Yuta課題概要
がんの根治を実現するためには、早期発見と早期治療が重要です。本研究では、免疫細胞が持つ、「異物を見つける」「異物の情報を伝える」「異物を退治する」などの機能を「マイクロデバイス・生体材料」などの工学技術と融合することによって、早期のがん診断とがん治療を達成する革新的技術を創出します。この技術を基盤とし、がんの診断から治療までを一括で実現できる包括的がん医療への道を切り拓きます。研究者より一言
本研究構想を実現し、がんを治る病気にすることを目指します。創発的研究支援事業2021年採択(田中パネル)
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大学院先導機構 / 大学院生命科学研究部 准教授
慶應義塾大学医学部生理学 訪問准教授三浦 恭子
Miura Kyoko長寿齧歯類特有の
恒常性維持機構の解明と応用長寿齧歯類特有の
恒常性維持機構の解明と応用大学院先導機構 / 大学院生命科学研究部 准教授 慶應義塾大学医学部生理学 訪問准教授
三浦 恭子
Miura Kyoko課題概要
ハダカデバネズミ(Naked mole-rat、デバ)は、マウスと似た体格でありながら最大寿命が37年以上もある最長寿齧歯類であり、強い老化耐性・発がん耐性を示すことから、組織の恒常性維持能力が著しく高いと考えられます。本研究では、デバ特有の長期恒常性維持機構を解析し、将来ヒトへ応用可能な恒常性維持因子の同定を目指します。将来的には、加齢性疾患を「予防」する革新的な方法の創発が期待されます。研究者より一言
がんなどの老化関連疾患を予防する新たな戦略の開発にむけて、ハダカデバネズミなど長寿哺乳類の研究を全力で頑張ってまいります。創発的研究支援事業2021年採択(水島パネル)
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病院 特任准教授 / 国際先端医学研究機構
石本 崇胤
Ishimoto Takatsuguシングルセル・マルチオミックス解析による
線維化シグナルネットワークの全貌解明シングルセル・マルチオミックス解析による
線維化シグナルネットワークの全貌解明病院 特任准教授 / 国際先端医学研究機構
石本 崇胤
Ishimoto Takatsugu課題概要
スキルス胃癌や膵臓癌など線維化を伴う癌が“難治がん“である理由は未だ不明です。本研究では、腫瘍間質の多様性に注目し、腫瘍組織の線維化シグナルネットワークの全貌解明に挑みます。未知の線維化シグナルネットワークを明らかにすることで、これまで不可能であった高度な線維化疾患のコントロールや線維化をともなう癌を制圧する薬剤の開発に繋がる可能性があります。研究者より一言
組織線維化による様々な問題を解決するために、チーム一丸となって研究を進めています。研究をサポートしてくれるメンバーを常時募集しています。創発的研究支援事業2020年採択(天谷パネル)
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発生医学研究所 独立准教授
進藤 麻子
Shindo Asako器官形態形成を制御する
環境依存性のシステミック機構器官形態形成を制御する
環境依存性のシステミック機構発生医学研究所 独立准教授
進藤 麻子
Shindo Asako課題概要
動物の発生過程で体内の臓器がどのように出来上がるのかを「環境」の役割に注目して明らかにしようとしています。発生中の個体環境を操作することができるアフリカツメガエルのオタマジャクシを使い、臓器を作る細胞や遺伝子がどのように環境に制御されるかを解明していきます。特に、体を作るために大事な甲状腺の形が、オタマジャクシが食べる餌によってどう変わるかを解析しています。動物が共通して持つ遺伝子の機能や、栄養などの環境の役割を明らかにすることで、私たち人間にも保存される臓器形成の新しい仕組みを発見することを目指しています。研究者より一言
学生の頃からカエルの卵を使って体の形の成り立ちを研究してきました。創発研究では、臓器を正しく作るための新しい制御因子として栄養 (食べ物・餌) に注目しています。食べ物が体の中の臓器の形を変えうるのか、その仕組みに迫りたいと思います。創発的研究支援事業2021年採択(塩見パネル)
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大学院生命科学研究部(医)講師
中條 岳志
Chujo TakeshiRNA修飾編集技術の
創発とその治療への応用RNA修飾編集技術の
創発とその治療への応用大学院生命科学研究部(医)講師
中條 岳志
Chujo Takeshi課題概要
RNA分子に施される化学修飾(RNA修飾)を編集する技術を開発します。具体的には、人工的なガイドRNAの活用により、狙ったRNAの狙った場所にRNA修飾を導入可能とすることを目指します。本研究が成功すれば、トランスファーRNA修飾の欠損による様々な病気の治療に向けた基盤技術となります。研究者より一言
新発見の喜びは一生残り、論文は永久に残ります。一緒に頑張りましょう。創発的研究支援事業2020年採択(塩見パネル)
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発生医学研究所 講師
谷川 俊祐
Tanigawa Shunsuke新規全胚培養システムを用いた血流と
尿排出路を有する 次世代腎臓オルガノイドの創出新規全胚培養システムを用いた血流と
尿排出路を有する 次世代腎臓オルガノイドの創出発生医学研究所 講師
谷川 俊祐
Tanigawa Shunsuke課題概要
腎臓は再生しない臓器であり腎移植の代替法が求められています。ヒトiPS細胞から腎臓オルガノイドの作成が可能になりましたが、機能を持つ腎臓へ成長させるには血流(入口)と尿の排出路(出口)が必要です。本研究では血流と尿排出路を有する次世代型の腎臓オルガノイドを構築し、豊富な血流によってオルガノイドが成長・成熟できる新しい培養システムを確立します。これにより臓器が育つ胎仔環境の要素を同定し、それをオルガノイドの成長と成熟化に応用することで正確な病態再現に基づいた創薬と、移植可能な腎臓の作製を目指します。研究者より一言
常識を覆す発見により不可能を可能にします。創発的研究支援事業2022年採択(水島パネル)
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大学院先端科学研究部(工) 助教
猪股 雄介
Inomata Yusuke光学活性な無機結晶の
触媒化学の開拓光学活性な無機結晶の
触媒化学の開拓大学院先端科学研究部(工) 助教
猪股 雄介
Inomata Yusuke課題概要
不均一系触媒は生成物と触媒との分離が容易である点、触媒の再利用が可能な点から、均一系触媒と比較して持続可能な化学プロセスとして位置づけられています。その一方、医薬品など生理活性物質の合成に重要な不斉触媒への展開は遅れています。本研究では、光学活性な結晶構造をもつ無機化合物を不均一系触媒とするという新たなコンセプトで、幅広く利用可能な不均一不斉触媒反応系の構築を目指します。研究者より一言
挑戦的な研究課題ですが、新しい概念を創発できるよう頑張ります。創発的研究支援事業2022年採択(北川パネル)
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発生医学研究所 助教
畠山 淳
Hatakeyama Jun霊長類の大脳発達における
外的要因の役割とその応用霊長類の大脳発達における
外的要因の役割とその応用発生医学研究所 助教
畠山 淳
Hatakeyama Jun課題概要
ヒトは進化の過程で、ニューロンとグリア細胞を著しく増大させました。これらの細胞を大量に産出する神経幹細胞は、脳形成期に数ヶ月に渡って維持され増殖します。このことがヒトの大脳の巨大化を可能としました。本研究では、脳脊髄液と頭蓋組織という外的要因の観点から、霊長類の神経幹細胞の長期間維持・増殖の分子機構を解明します。さらに、その成果を基盤に、早産児・低出生体重児の脳発達予後改善への応用を目指します。研究者より一言
幼少期から1細胞の受精卵からヒトに成る発生過程が不思議でたまらなく、それが私の研究の原点です。そのヒトの脳発生過程の解明に携われている現状に、とても嬉しく、そして感謝しています。霊長類の脳発生研究は、経費も時間もかかり、研究基盤から整える必要もあり苦労も多いですが、ヒトの成り立ちを知ること、そして命の始まりである新生児の医療に貢献できる研究を目指せることにワクワクしています。創発的研究支援事業2020年採択(塩見パネル)
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大学院生命科学研究部(薬) 助教
増田 豪
Masuda Takeshi高分解能な
空間プロテオミクス技術の開発高分解能な
空間プロテオミクス技術の開発大学院生命科学研究部(薬) 助教
増田 豪
Masuda Takeshi課題概要
生物組織は、機能が異なる多様な細胞が適正に配置されることで正しく機能しています。細胞の中では、様々な生命現象が繰り広げられています。細胞の機能は働いているタンパク質の種類と量が関係しています。タンパク質の種類と量が異常値となると病気になったりします。本研究では、タンパク質の種類と量を1細胞ごとに取得する技術を確立し、それらを組織上で可視化する分析システムを開発します。生物を構成する全ての細胞について、個々の役割と連携をタンパク質レベルで解明することを目指します。研究者より一言
創発的研究支援事業で開発する技術を世界中の研究者に使っていただき、生命現象の発見に貢献出来たら嬉しいです。創発的研究支援事業2020年採択(塩見パネル)
お問い合わせ先
research-coordinator@jimu.kumamoto-u.ac.jp
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